毎日のようにソファでだらぁぁぁんとYouTubeやゲームに夢中になる子どもたち。
気づけば背中は丸く、肩は前に丸まり、足は投げ出されたまま……。
その姿勢、大丈夫かな?と不安になることはありませんか?
実は、そうした「おうち時間の姿勢」が、子どもの体の使い方に大きく影響しています。
柔道整復師・鍼灸師であり、2児の母でもある私が、陸上教室で実際に見た子どもたちの体の使い方とあわせて、わかりやすくお伝えしていきます。
家で見かける子どもの姿勢、ちょっと気になりませんか?

最近、わが家のリビングでは、ソファにだら〜っと座ってゲームやYouTubeに夢中な子どもたちの姿が日常になっています。
気づけば、背中は丸くなり、肩は前に落ち、首はスマホの画面に引っ張られるように下を向いたまま……。
「まぁ、今だけだし」「疲れてるのかな」なんて見過ごしてしまいそうになりますが、
ふとした瞬間に、この姿勢が“当たり前”になってしまっていることにハッとします。
子どもにとって、日々の姿勢は体づくりの土台になるもの。
大人よりも柔軟で吸収力があるからこそ、よい姿勢も悪い姿勢も、どんどん身についていくんです。
たとえば、長時間ソファに深くもたれたままゲームをすれば、骨盤は後傾し、背骨のS字カーブはどんどん失われていきます。
これが日常になれば、体幹の筋力がうまく育たず、将来的に猫背や肩こり、頭痛、腰痛、運動時のパフォーマンス低下につながることも。
「座ってるだけなのに?」と思われるかもしれませんが、
“何気ない姿勢”の積み重ねが、実は体の使い方に大きな影響を与えているんです。
陸上教室で感じた“走り方のクセ”
週に一度、子どもたちが通っている陸上教室に付き添っているのですが、
たくさんの子どもたちが一生懸命に走る姿を見ていると、気になることがあります。
それは、「足音の大きさ」と「股関節の使い方」です。
走っているときにドタドタと大きな音がする場合、
着地の衝撃をそのまま足で受け止めてしまっているような印象を受けます。
よく見てみると、足を上げるというより、膝から下だけで蹴っているような走り方。
このタイプの走り方をしている子は、股関節をうまく使えていないことが多く、
体幹の安定感やバランス感覚も少し不安定な様子が見られます。
「上半身がぐらつく」「腕の振りと足の動きが合っていない」「足が前に出にくい」
こういった傾向が見られる子どもたちは、普段の姿勢や体の使い方が影響していることも。
実際、家での過ごし方や座り方、日常の運動量などは、走り方や姿勢に現れやすいんですよね。
だからこそ、「走り方が変だな」「足音が大きいな」と感じたときは、
走るフォームだけでなく、日常の姿勢や体の使い方も見直してあげると良いサインになるかもしれません。
柔道整復師・鍼灸師として思う “姿勢と健康の関係”

私はこれまで、柔道整復師・鍼灸師として
多くの子どもや大人の体と向き合ってきました。
その中で強く感じるのは、「姿勢の崩れは不調のはじまり」ということです。
特に現代の子どもたちは、長時間のタブレット使用やゲーム、YouTubeの視聴など、
“同じ姿勢で体を動かさない時間”がとても増えています。
背中が丸まり、頭が前に出た姿勢が当たり前になってしまうと、
骨盤が後傾し、背骨のS字カーブが崩れ、呼吸が浅くなったり集中力が落ちたりします。
子どもでも、肩こりや腰痛の原因にもつながることがあります。
そしてその姿勢のクセは、走り方や歩き方、
さらにはケガのリスクにもつながってしまうんです。
例えば股関節をしっかり使えずに膝や足首ばかりに負担がかかると、
ちょっとした段差でも転びやすくなったり、成長痛を感じやすくなることもあります。
日常生活の姿勢と運動時の姿勢は、密接につながっています。
「なんとなく転びやすいな」
「疲れやすそうだな」
「いつも座る姿勢が崩れてるな」
そんなふうに感じたときは、
“体の使い方”が今どうなっているのか、
ちょっとだけ気にしてあげてみてほしいなと思います。
家庭でできる!子どもの姿勢を整えるちょっとした工夫

姿勢って、特別なトレーニングをしなくても
毎日のちょっとした声かけや環境づくりで変わっていくものです。
私自身、子どもたちと暮らす中で意識している工夫をいくつか紹介します。
■ ソファではなく、あえて床に座る時間をつくる
ソファにだらぁ〜っと座ると、骨盤が後ろに倒れて背中も丸くなりやすい。
だからこそ、あえて床に座る習慣を取り入れてみるのもおすすめ。
バランスボールに座らせて、体幹を使うよう促すのもGood👍️
バランスボールの良いところは、遊び感覚で体感を鍛えることができる所です!
小学校低学年だったら、直径30cmのバランスボールがオススメ💡
身長が130〜150cmだったら直径45cmのバランスボールがオススメ💡
使い始める前に、
ボールに座ってもらって、子どもの膝の角度が90度になるよう大きさを調整します。
ボールの大きさは空気の量で調節できるので、その子にあったサイズにしてあげてください。
■ 椅子の高さと机のバランスを見直す
足がブラブラしていると、自然と前かがみになってしまいます。
足裏が床につく椅子にするだけでも、姿勢の安定感が変わります。
椅子の高さ調整が難しいときは、足元に踏み台を置くだけでもOK!
我が家はストッケのトリップトラップを使用しています。
こちらの椅子は子どもの身長に合わせて座面、踏み台の両方の高さを調節することができます。
最大136kgの大人でも座ることができる、耐久性のある設計。
子どもの成長に合わせて、常に良い姿勢を保つことができるというのは親としてはとてもありがたいものです。
■ 「いい姿勢だね」と声に出して褒める
「背筋伸ばして!」と注意するよりも、
姿勢がいいときに褒める方が子どもには響きやすいです。
「めっちゃきれいに座れてる子、誰かな〜?👀」
「座り方めっちゃカッコイイや〜ん✨️」
魔法の言葉ですね!
できたことはもちろん、できてなくても声をかけてあげるとピシッ!と姿勢が良くなります。
■ 動きを取り入れて“意識づけ”
姿勢は動きの中でも育ちます。
遊びやストレッチを通して、自分の体を自分で感じる時間を持つことも大事。
我が家では片足を上げて「バランスゲーム」をしたり、トランポリンがある体操教室に通っています
将来のあなたのため、と言っても子どもたちは飽きちゃいますよね、、、
日常の中で無理なく続けられることを少しずつ。
大人たちが環境を整えてあげることで、
子どもたちは楽しみながら、自然と“正しい姿勢”を身につけていけると感じています。
まとめ:姿勢は日々の暮らしの中で育つもの
子どもたちの姿勢は、家庭での過ごし方や
ちょっとした生活習慣の積み重ねで大きく変わっていきます。
特別なトレーニングや道具がなくても、
姿勢を意識した座り方、環境づくり、そして何より親の声かけで、
子どもたちは少しずつ“自分の体を大切にする意識”を育てていけるのだと、日々感じています。
親としてできることは、整えてあげること・気づかせてあげること・見守ること。
私自身、柔道整復師や鍼灸師として学んできた知識も活かしながら、
「姿勢は“正す”のではなく“育てていく”もの」だと実感しています。
元気に走り回る子どもたちの姿をこれからも見守るために、
まずはおうちでできる小さな一歩から、始めてみませんか?
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